私の正しいお兄ちゃん




私の正しいお兄ちゃん 1巻 <試し読みはこちら>

大学生の理世はアルバイト先のスーパーで働く海利と出会う。眠れない海利に肩を貸すうち、幼いころ別れた兄の思い出を重ね好意を抱くように。 しかし、海利のアパートで彼が人を殺したという日記を見てしまい衝撃を受ける。好きになった人の正体は一体? 次々と明らかになる真実と海利への愛が理世を追いつめる! モリエサトシが贈るジェットコースター・クライムサスペンス&ラブ!!

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モリエサトシ著書 私の正しいお兄ちゃんのレビューです。

じっくり読ませるサスペンスストーリー

アルバイト先で知り合った海利に、親の都合で離れてしまった優しかった兄を重ね恋をしてしまう理世。

しかし恋した相手は人殺しだった・・・・。
と言う公式のあらすじ通り内容なんですが人を殺してしまった人が罪を背負ったまま暮らして行く様が読んでてとてもリアルで息苦しい。
そして、誰かにそれを知って欲しいという心理と、知られた相手をこの先いつまで信用していいのか。という心理に感情移入してしまいそうになるほど、コミックとしての完成度が高いです。

原作あるのかな?と思いましたが絵もストーリーもひとりで制作されてます。

凄く控えめに言って天才だとおもう。

情報量の多いコマだったりするんですが、整理整頓されてるのでスッと頭に入ってきます。

キャラクターに感情移入してしまうのは、コマ割りの良さもあるでしょう。絵がシンプルだと肉女のすすめでも書きましたが、読者の脳内である程度の変換が効くんじゃないかなと思うんですよね。あだち充とかもそうですよね。
同じ顔なんだけど読者の脳内でそれぞれの趣味の色々な顔になるというやつ。

正しいお兄ちゃんはイケメンなのか美人なのか分からない顔が、逆に内容を読ませる一つの要素になっている気がします。

人を殺してしまった人の孤独

殺人を肯定しているわけではありません。犯してはいけない過ちですし、悔い改める必要は絶対あると思います。でも、逃げている時の心情ってどんななんだろう。と考えた事はありませんか?

株式会社講談社 モリエサトシ著書 私の正しいお兄ちゃん P30より引用

結果的に、自分も裁かれる事を恐れて逃げている事になるんでしょうけども、罪の意識に苛まれる人が大半なんじゃないかな?罪の意識も風化して逃げてる事に慣れてくると段々大胆になって捕まる人も多くいるのが現実ですが。

私は殺人罪に時効があるのは、たとえ逃げてもその逃げている間、本人がどれだけ辛い思いをするを酌量するからなんだと子供の時に教わった事があります。それだけ、被害者はもちろん、加害者も地獄をみるんだと。

もちろん、自分も含め身近な人間が被害者になったらそんな事は考えられないでしょうし仇討ちがある時代ではなくても仇討ちしたい程憎むと思いますけど。

なので、法改正で死刑になる罪を犯した場合、時効はなくなりましたよね。

「おい小池!」で有名だった 徳島父子殺害事件の犯人は女性に匿われてて潜伏11年目で心不全で亡くなって葬儀まで誰も気が付かず葬儀の名前が分からない事を不審に思われ指紋照会して気が付かれたんですよね。

その風貌は予想よりも老けていたために気が付かれなかったとかなんとか。

と、こういう話題は重いのかもしれませんね。

ルパン三世ってなんで捕まらないの?

って思った事ありませんか?国際指名手配されたりテレビでバンバン顔出てるのにって。

でも、現実社会でも犯罪者の顔ってあまり覚えてないですよね。指名手配の写真の顔の人とすれ違ってピンと来る自信ないです。私は、どうしても捕まえたいなら110円札とか作って指名手配犯の顔にして発行すればいいんだと思いますよ。って位気が付かない。あとはパチンコとかスロットとかで指名手配犯が数字だか何かになってるとか。笑

日本で中東の有名人とかがターバン巻いてたら気が付くかもしれませんが、B系の恰好してケバブとか売ってたら絶対気が付く自信ないしね!

と、いうワケで私の正しいお兄ちゃんはタイトルから絵からストーリーから読んで間違いない一冊です。 理世もまた幼い時に暮らした兄といつか暮らしたいという夢で生きてきましたがそちらが叶うのか、 海利とどう関係してくるのか2巻も楽しみです!